復縁成功10年の秘密と本質

本気で復縁を目指す人のための難しい話

復縁におすすめの本(特に夫婦の復縁を目指すなら必須)

最近私が読んだ復縁におすすめの本をご紹介します

一木けい(いちき けい)の『全部ゆるせたらいいのに』です。

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まずは軽いネタバレを含みつつ簡単なあらすじをご紹介します。

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主人公は千映(チエ)という名前の妻です。
第一章は千映視点で自分自身の夫婦生活のストレスや心の葛藤などが語られますが、その多くは夫の宇太郎(ウタロウ)の体たらくに関するものです。

 
ウタロウは妻も子供も愛したいと思っているのですが酒に飲まれて本当にどうしようもない夫・父になり果てています。

 

と言うよりも、酒に飲まれてどうしようもないが妻も子供も愛したいと思っている生々しいダメな愛に満ちた「堕荒男」(だすらお 私による造語)であり、その葛藤の姿も描かれます。

 

そしてそのウタロウの姿は、千映にとって忌まわしく憎むべき父の姿と完全に重なるのです。
狂った父親の生き写しと言っても過言ではないほどに…
 
第二章は千映の母視点で、主人公の千映が赤ちゃんだった時代の事が語られます。
千映の母も父も立派な親でした。
小さな千映の将来のために、

そして夫婦お互いのためにも、

夫婦それぞれが自分の人生を削って努力する良い親でした。
 
第三章は千映が高校生の頃の千映の父親視点で語られます。
第二章の父親の姿は幻だったのかと思うほど、堕荒男化しアルコール依存症で支離滅裂になって暴力を振るう父親の姿が描かれます。
 
第四章は再び現在に戻り第一章よりさらに少し未来の話です。
物語は千映視点で語られ、父親は既に老衰と病で死んでいます。
ウタロウは千映の父の様な「愛→酒乱→暴力→孤独死ルート」から抜け出すことに成功しています。
 
その中でチエは親友と会話しながら様々なことを思い出し、自分と自分の家族の人生を考察して気付き、
母親、父親、自分、子供、夫との「愛の絡まり」を総括して「疑うのは疲れる。疑わなくなって初めてそのことがわかった」という言葉を残し、家族と共に未来へ再び歩き始めます。

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以上がこの本のネタバレ気味なあらすじですが、
私はこれを大人向けのネバーエンディング・ストーリーとして一気に読んでしまいました。
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かなり昔の映画ネバーエンディング・ストーリーの原作、ミヒャエル・エンデによる「はてしない物語」です。
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「けれどもこれはまた別のお話、別の機会に話すことにしよう」という言葉が章の末尾にかなりの頻度で出現する「はてしない物語」。

 
その言葉は、登場人物や関係者から分岐する果てしない物語がこの世の中には続いているのだということを表しています。
 
それと同じように、千映とその家族関係者の愛憎は果てしなく深く絡まり、そして果てしなく過去に遡り、あるいは果てしなく現在の地平線まで続いているわけです。
 
その果てしなさを感じながら私はこの本を一気に読破したのですが、
その中で私が最も重要だと感じたのが、先程のあらすじの紹介で、私が造語した「堕荒男(だすらお)」という言葉です。

 

自分が堕落した怪物になり果てていることに気づけば復縁できる

古来から我々日本人は、立派で男らしく勇敢で自己犠牲あふれる男を「益荒男(ますらお)」と呼んでいます。
飛鳥時代から奈良時代にかけて確認されている言葉で、万葉集にも頻繁に「ますらお」という言葉が見られます。
 
この「全部ゆるせたらいいのに」という作品の中で狂った異彩を放つ千映の父は、千映が生まれた時、そしてまだ小さな子供の頃までは立派な益荒男でした。

 
頭も良く本をよく読み、子供の幸せを非常に強く願い、自己犠牲の心があふれる立派な夫であり父親でした。
 
しかし千映が高校生になった時には完全にその益荒男のポジションから堕天しています。
そこには誇り高く愛と自己犠牲に満ちた益荒男の姿はありません。
 
そこにいるのはかつて益荒男だった者が堕落した者。
すなわち堕荒男(だすらお)です。
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そしてそれは、

元恋人から振られて復縁したいと願っているあなたでもあり、

あるいは妻や夫から離婚を突きつけられているあなたでもあり、
あるいは15年位前の私自身でもあります。
 
あなたも、過去の私も、

ダメな男になりたかったわけではありません。
立派で頼りがいがある愛に満ちた男になりたかったんです。
 
でもその方向性が間違っていて、
その間違いを認めることができずにどんどんダメ男として堕落し続けてしまったのです。

(あなたもそうだと思いますし私もそうでしたが堕落している自覚はありませんでした。しかし人間にとって自己成長自己変化しないことはすなわちそのまま堕落そのものです
 
千映の言葉に
「父にとっては思考が現実だった。こちらにとっては何の思惑もない行動も、父の思考に決めつけられ、どんなに否定しても受け入れられる事はなかった」という言葉があります。
 
父親は酒を飲んでアルコール中毒になり、ちょっとしたことですぐ腹を立てて娘に暴力をふるい常に支離滅裂な行動をしています。
 
それは何故か?
その理由は、父親は自分の頭の中で考えた妄想に近いような事を圧倒的な超リアルな現実としてしか認識できないからです。

簡単に言うと超石頭の超頑固じじいです。
 
自分が意識しているこの世界は他の人々が意識している世界観と違う可能性があるという事を認められない頭でっかちになってしまっているのです。
 
だから千映の父は、
道を歩いている人たちは泥棒の可能性があると思って警戒していなければならず、
職場の人間たちは一切何も考えていないロボット機械であり、
娘は俺のことを常に騙そうとしている、
としか考えられず、

 

実際にその妄想を現実のものとして行動するので、現実世界での行動が支離滅裂になるのです。
 
これは、元カレや元カノから振られたあなたに完全に当てはまります。
 
例えば、
道を歩いている人たちはほとんど泥棒ではないのでにらみをきかせながら街を歩く必要など微塵もない。
これが現実ですよね。
 
職場の人達だって一生懸命自分と自分の家族のために戦っているのであり、負けようと思って戦っている人間は1人もいない。みんな成果を出そうと思って一生懸命戦った結果失敗する場合もあるだけだ。それが現実です。
 
娘は父親を騙そうとしているのではなく、先に父親が支離滅裂な行動をして暴力を振るうから、その父親から逃げようとして嘘をつくのです。
あるいは、それでも父親が大切な気持ちがあるから、父親を少し騙してアルコール依存症の治療のために病院に連れて行くのです。

それが現実です。
 
このように、

堕荒男に成り果てた父親の生きている世界と、
千映達が生きている現実の世界は全く異なっています。
まるで異次元の平行世界が交差するように、別の世界が交わっています。
 
これが衝突の原因であり、この恋愛や復縁という問題に関して考えるならばあなたが元カノや元カレに振られた原因です。
 
例えば、あなたは彼女から「今度うちの家族でお父さんの誕生日パーティーやるんだけど、あなたも来る?」と聞かれた時、
行かなくても彼女の自分に対する評価は変わらないはずだという妄想世界で生きていたわけです。
だから行かなかった。
 
でも現実は違うんですね。
「なんでこの人は私の大切な人を大切だと思ってくれないんだろう。つまらない人…と言うよりも冷たい人。もし結婚しても家族のイベントには来ないんだろうな。結婚する意味ないや」
と彼女は思ったわけです。そっちが現実です。
 
あなたが女性であっても同様です。
例えばあなたは彼氏に「なんでそんなにイライラしたり怒ったり不安定になったりするの。どうして気持ちを切り替えられないの」と言われても、
「そんなにすぐ気持ちを切り替えられないよ。あなたに傷つけられたことがたくさんあるし、1つ嫌なことがあると過去の嫌なことも全部思い出しちゃうのは当たり前じゃん」と感じていたかもしれません。
 
その思考回路は彼氏も当然に理解してくれるはずだという妄想の世界にあなたは生きていたわけです。
しかし、その思考回路を理解してくれる男性はごく少数であり、実際に彼には理解できないからこそ彼はそのように言っていたわけですよね。

それが現実です。


だからあなたの元彼は、あなたは少し嫌なことがあるとメンタルがはちゃめちゃになってしまう女性に見えて、あなたから離れていったのです。
 
彼の当たり前とあなたの当たり前が全く違う。
そして自分の当たり前の方が少し変だということに気づいてない。
 
まさに
「父にとっては思考が現実だった。こちらにとっては何の思惑もない行動も、父の思考に決めつけられ、どんなに否定しても受け入れられる事はなかった」という千映の父親の精神状況と全く同じです。

 

特に恋愛においては男性と女性が重要視することはまるで違います。下記動画ではその意識の違いなどに関しても解説しているのでぜひ併せてご覧ください。

www.youtube.com

 

話を戻しますがその妄想と現実の乖離が続くと人はどんどん堕ちていきます。
かつては益荒男だったものがどんどん精神的に堕落し、交際を続けるには値しない堕荒男に成り果てるわけです。
そしてそのままの状態ではもちろん相手からすれば復縁をするにも値しません。
 
ちなみに益荒男は男性を表現する言葉ですが、女性を表現する言葉としてやはり古来から「手弱女(たおやめ)」という言葉があります。
手が細くて柔らかく優しい女性を表現した言葉でしょう。


手弱女という言葉は女性を馬鹿にしているように感じますが、この言葉は女性差別の言葉ではありません。


美しく優雅で少し力を入れれば細い腕のように折れてしまいそうな儚く健気な美しさ、つまり日本文化の象徴である桜の様な存在を象徴する言葉で、

万葉集の時代には女性たちが女性自身を表現するときに手弱女という言葉を使っています。
男性が女性のことを「弱い女」という意味で手弱女と呼ぶ事はなかったと言われています。

 
さて、益荒男が堕落したものを堕荒男と呼ぶならば、
手弱女(たおやめ)が堕落したものを誑女(たぶらめ)と呼ぶ事にしましょう。
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誑は誑かす(たぶらかす)という意味です。
ごんべんに狂う、すなわち「狂言」が「たぶらかす」という意味です。
 
嘘、大袈裟、紛らわしい表現を用いて、相手を騙して困らせて、自分の都合の良いように動かすのが「たぶらかす」ですよね


誑女(たぶらめ)には手弱女の様な守ってあげたい様な儚さやケナゲさはありません。

 
自分が男から守られたいから、
自分が男から愛されて気にされてずっと心配されたいから、
とにかく自分の精神的安定のためだけに、
嘘、大げさ、紛らわしい表現を使って男の興味を引く…


元カレから振られてしまったあなたはまさにこの「誑女(たぶらめ)」になり果ててしまっていたわけです。
 
しかしこの「全部ゆるせたらいいのに」という作品では、
そんな堕荒男(あるいは誑女)の心の中にも、
堕落していなかった時代の優しい気持ち、一生懸命な気持ち、そして自己犠牲の気持ちの欠片が残っていて、

最後に主人公の千映はその欠片を見つけ出し前向きにウタロウとの家族関係を継続していくという話になるのですが、


けれどもこれはまた別のお話、別の機会に話すことにしましょう

 


夫婦復縁・離婚回避を目指している妻や夫はぜひ読んでほしい
 
この本は基本的には夫婦と家族の話です。
もちろんまだ結婚しておらず恋人との復縁を目指している方にもぜひ読んでいただきたいですが、
夫婦の復縁、家族再構築を目指している方にはぜひとも読んで欲しい本です。
 
妻のワンオペ家事育児の過酷さ、
夫の会社での奴隷戦争の過酷さ、
が両方ともかなりリアルに描かれています。
 
まだ結婚していない方でもこの男性と女性の人生の大変さの違いをわかっていれば、恋人に対しても今まで以上に優しくなれますのでぜひ読んでみてください。
 
そして離婚回避を目指す夫や妻は絶対に読みましょう。

 
あなたが妻から離婚を要求されている夫なら、あなたが今までどれだけ妻に地獄を味わわせてきたかを強く認識できるはずです。
離婚だと言われるのも当たり前だと納得できるはずです。
 
逆にあなたが夫から離婚を要求されている妻なら、あなたが今までどれだけ夫を孤独な戦場に放り投げてきたかを強く認識できるはずです。
もうお前は必要ないと言われるのも当たり前だとわかるはずです。
 
そしてさらにそこからもう1歩進んで、
自分の初心を思い出すことができるはずです。
 
主人公千映の夫であるウタロウも、千映の酒乱の父親も、最初から堕荒男だったわけではありません。
そしてそれはあなた自身も同じことなのです。


あなたも最初から堕荒男だったわけではないし、結婚した当初から誑女だったわけでもない。
そのことを思い出し、初心に戻って、優しさや自己犠牲の心を取り戻すことができるかもしれません。
 
千映の父親は酒乱の暴力父親でしたし、
夫のウタロウもアル中モラハラ旦那でしたが、
自分を押し殺して大切な家族を幸せにしたいという自己犠牲の心を100%消し去ることはできませんでした。
 
同じようにあなたの心の中にもまだ、見返りを求めない本当の愛…むしろ見返りを求めないどころか自己犠牲を喜んで行う献身の愛が残っていることに気づくでしょう。
 
それをもう一度育てていけば復縁可能性は必ずアップします。
考え方や生き方や価値観が変われば表情や顔つきや歩き方や喋り方まで全部変わるからです。


自己犠牲の喜びを取り戻し、
与える愛を体得して、
自己中心的な見返りを求める自己愛を捨て去れば、
あなたという人間が【見た目的な意味で】変わります。
 
見た感じがもう全く違う人になります。
雰囲気が全然違う、誰と話しているのかわからない、あれ誰だっけこの人、
と相手が思ってしまうようなレベルで、

リアルな意味で、

あなたという人間が違う人間に変わります。
 
そうなったときに復縁可能性は非常に高まるのです。
なぜなら復縁というのは常に新しい恋愛として始まるからです。
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あなたは単純に昔の元カレ元カノと復縁したいと思っているでしょうけれども、
復縁をあなたから求められている相手が復縁を決断する時というのは、

「新しい恋愛」として昔いちど付き合ったことがあるような気がするこの人と付き合ってみよう、という思考回路になる時なのです。
 
昔いちど付き合ったことがあるような気がするこの人、というはあなたのことです。
 
昔いちど付き合ったことがあるような気がするけど、この人誰だっけ、元カレ(元カノ)の〇〇だって言ってるけど、全然雰囲気が違うし話し方も違うし、そもそも顔が違うじゃん…
でもなんかすごくいい人そうだから、付き合ってみるのも悪くないかも…
という感覚で、復縁を求められている側は復縁を決断するのです。
 
そうなるためには、
あなたは自分自身が堕荒男・誑女という怪物になり果てていることに気づき、
そして同時に自己犠牲の愛が自分自身の心の中にまだ残っていることにも気づき、
その自己犠牲の愛を再び育てて大きくし、
益荒男・手弱女に戻ることが必要だということなのです。

 

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